東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。
企業概要
会社名
創立年
2016年7月29日
本社所在地
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル438
事業内容
- AI・ディープラーニング技術のコンサルティングおよび開発
- 共同事業、ライセンス、保守モデル、自社開発等によるプロダクトの提供
- 人工衛星データを活用したAI解析ソリューションの提供
事業説明
パートナー企業へのAI活用に向けた「カスタムAIソリューション事業」を中心に、要件定義からAIの開発・導入・運用までのサービスを一気通貫型で提供しています。
またAIと相性の良い事業領域にも先行投資しており、その中でも、衛星画像解析へのAIエンジンの提供に当たっては、業界の中でも先行して取り組んでいます。
収益面では主に、コンサルティングとAIの開発フィーによるフロー収益と、ライセンス提供サービスによるストック収益の2つで構成されています。

財務状況
売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます
年度 | 売上 | 営利 | 経常 | 純利 | EPS | ROE | ROA | 営利率 | 原価率 | 販管費率 |
Dec-17 | 179百万 | – | 66百万 | 43百万 | 8.62 | – | 52.17 | – | – | – |
Dec-18 | 277百万 | – | 56百万 | 42百万 | 8.33 | – | 30.86 | – | – | – |
Jul-19 | 219百万 | – | 23百万 | 14百万 | 4.51 | – | 1.68 | – | – | – |
Jul-20 | 354百万 | – | -163百万 | -163百万 | -52.25 | – | 赤字 | – | – | – |
Jul-21 | 419百万 | -157百万 | -147百万 | -149百万 | -42.94 | 赤字 | 赤字 | -37.33 | 54.35 | 82.98 |
Jul-22 | 969百万 | 56百万 | 110百万 | 150百万 | 43.32 | 10.62 | 9.61 | 5.82 | 36.75 | 57.42 |
財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます
年度 | 総資産 | 純資産 | 株主資本 | 自己資本比率 | 利益剰余金 | BPS |
Dec-17 | 0.83億 | 0.41億 | – | 49.9 | – | – |
Dec-18 | 1.35億 | 0.38億 | – | 27.8 | – | – |
Jul-19 | 8.38億 | 7.96億 | – | 94.9 | – | – |
Jul-20 | 6.79億 | 6.32億 | – | 93.2 | – | – |
Jul-21 | 13.9億 | 12.6億 | 12.6億 | 90.7 | -271百万 | 364.76 |
Jul-22 | 15.6億 | 14.1億 | 14.1億 | 90.5 | -121百万 | 408.07 |
IPO情報
新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。
基本情報
業種:情報通信業
銘柄コード:5572
上場区分:東証グロース
IPO日程
ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。
IPO主要日程 横スクロールできます
ブックビルディング期間 | 2023年4月11日〜4月17日 |
ブックビルディング抽選日 | 2023年4月18日 |
購入申込期間 | 2023年4月19日〜4月21日 |
上場日 | 2023年4月26日 |
IPO情報
IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。
IPO情報 横スクロールできます
公募株式総数 | 591,000株 |
売出株式比率 | 44.2% |
O.A分 | 88,600株 |
想定価格 | 1,600円 |
仮条件価格 | 1,600円(100%)〜1,650円(103%) |
公募価格 | 1,650円(予定) |
吸収金額 | 11.21億円(予定) |
ロックアップ | 主に180日間 |
主幹事 | SMBC日興証券 |
今後の展望や懸念事項
国内のAI市場は2021年の1.1兆円から2027年に1.9兆円とさらなる成長が見込まれており、サービス市場の中でもAI構築サービスは2027年に9,637億円と大きなシェアが見込まれています。

企業を取り巻く環境や労働人口減少に伴う企業経営の効率化などの動きにより、AI業界は今後も拡大が予測されているものの、国内外の経済情勢や景気動向、それに伴う設備投資意欲の低減などの理由により、市場の成長が鈍化する可能性があります。
また、AI業界は技術革新が速く、企業の優位性を維持するためには、技術革新に即座に追従する必要があり、優秀な人材確保や育成が今後の重要な課題になります。
独自評価及びスコア
これまでの投資経験を活かしたデータ分析で、独自評価及びスコアを付けています。
独自評価スコア:C12
※独自評価スコアはD4(低評価)〜S20(高評価)まで存在します。
独自の評価指標
過去6年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル591社でした。
それらの企業データから、以下の9つの項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。
- 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
- 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
- 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
- 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
- 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
- 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
- ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
- 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
- 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)
これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。
初値上昇率の予想
過去6年間にIPO新規上場(IPO)した企業は591社で、評価スコア「C12」の企業は46社ありました。
それら企業における初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。
過去データを基に算出した初値上昇率 横スクロールできます
平均値 | 204%(2.04倍) |
最大値 | 442%(4.42倍) |
最小値 | 85%(公募割れ) |
中央値 | 194%(1.94倍) |
過去6年間で公募割れした企業は3社あり、約7%の企業が初値で公募価格を下回ったことになります。
平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です。
管理人のBBスタンス
過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。
Ridge-i社は僅かな公募割れリスクがありますが、概ね初値上昇が見込めるため、「すべての所有口座からBB申込予定」です。
人気が集まりそうな「スタジアム社」も同日に上場する予定なので、初値上昇率は限定的になるかもしれませんが、主幹事のSMBC日興証券が狙い目です。
最後に
不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。
今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。
最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。