IPO

【QLSホールディングス】新規上場企業データ分析

株式会社QLSホールディングスは、直営保育施設の運営を中心とした保育事業」、居宅介護支援、訪問介護、障がい者グループホーム、放課後等デイサービ スを中心とした「介護福祉事業」並びに専門性を持った人材の派遣を中心とした「人材派遣事業」を運営している

東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。

企業概要

会社名

株式会社QLSホールディングス

創立年

2019年2月21日

本社所在地

〒556-0011 大阪府大阪市浪速区難波中1-12-5 難波室町ビル3階

事業内容

  • 居宅介護支援事業・介護予防支援事業
  • 介護保険法に基づく居宅サービス事業 訪問介護・介護予防訪問介護
  • 保育所・託児所・こども園・学童クラブの運営
  • 障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業
  • 児童福祉法に基づく放課後等のデイサービス事業
  • 労働者派遣事業法に基づく労働者派遣事業・有料職業紹介業務

 

事業説明

株式会社QLSホールディングスは、直営保育施設の運営を中心とした「保育事業」、居宅介護支援、訪問介護、障がい者グループホーム、放課後等デイサービ スを中心とした「介護福祉事業」並びに専門性を持った人材の派遣を中心とした「人材派遣事業」を展開している。

保育事業

大阪市、東京都及び横浜市を中心に、認可保育所等の保育施設を運営しており、2023年4月末現在、認可保育所33施設、小規模認可保育所2施設、東京都認証保育所1施設、企業主導型保育所3施設、学童保育1施設を運営している。

介護福祉事業

大阪市及び周辺都市を中心に、2023年4月末現在、43拠点で訪問介護や居宅介護支援を提供する介護事業所を運営しており、東京都及び沖縄県で、障がいのある児童の支援を行う放課後等デイサービスや障がい者の共同生活の支援を行う共同生活援助を運営している。

人材派遣事業

国内5拠点(兵庫、京都、愛知、東京、沖縄)にて人材派遣事業を展開中。自動車メーカー等を顧客として、主として自動車整備士など専門性を持つ人材派遣サービスを提供や、介護、保育、看護など福祉に専門特化した人材派遣、その他、業務受託による携帯電話等の通信機器の販売等を行っている。

 

財務状況

売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 売上 営利 経常 純利 包括 EPS ROE ROA 営利率 原価率 販管費率
Mar-19 -0.21百万 -0.23百万 -0.11 赤字
Mar-20 0.9億 13百万 9.2百万 4.56
Mar-21 44.7億 181百万 56百万 -164百万 -164百万 -81.53 赤字 赤字 4.05 84.15 11.79
Mar-22 56.4億 200百万 140百万 13百万 13百万 6.67 2.49 0.28 3.55 84.21 12.24

 

財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 総資産 純資産 株主資本 自己資本比率 利益剰余金 有利子負債 有利子負債比率 BPS
Mar-19 0.3億 30百万 99.2
Mar-20 690百万
Mar-21 42億 526百万 526百万 12.5 262百万 28億 532.46 261.03
Mar-22 47.2億 539百万 539百万 11.4 275百万 34億 629.92 267.7

 

IPO情報

新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。

基本情報

業種:サービス業

銘柄コード:7075

上場区分:名証ネクスト

 

IPO日程

ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。

IPO主要日程 横スクロールできます

ブックビルディング期間 2023年6月8日〜6月14日
ブックビルディング抽選日 2023年6月15日
購入申込期間 2023年6月16日〜6月20日
上場日 2023年6月26日

 

IPO情報

IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。

IPO情報 横スクロールできます

公募株式総数 300,000株
売出株式比率 33.3%
O.A分 45,000株
想定価格 650円
仮条件価格 590円(91%)〜650円(100%)
公募価格 650円(予定)
吸収金額 2.24億円(予定)
ロックアップ 主に180日間
主幹事 JTG証券(旧HS証券)

 

今後の展望や懸念事項

保育事業においては、政府による新子育て安心プランの目標「2021年度から2024年度末までの4年間で14万人の保育の受け 皿を整備する」の発表にあるように、クオリスキッズとしても地域のニーズの把握と実現に努め、地域に密着した保育の提供を行う事で、児童数の確保・拡大が期待できる。

介護福祉事業において、厚生労働省が看取りの場を病院から在宅へ推し進める中で、2022年7月から新たに始めた訪問看護事業も将来的に高いニーズがあり、2006年までの統計を基にした厚生労働省の推計によると、 2009年時点で病院での看取りが92.3万人、自宅での看取りが14.2万人でしたが、2030年では病院が89万人、自宅が20万人に増加する見込みとなっており、2020年から2040年の間に訪問看護のサービ ス量が37%増加、訪問介護でも同33%の増加と予想されている。

株式会社QLSホールディングスにおいても同等の増加率を見込んでおり、訪問介護・看護事業を軸とした複数種別の介護福祉事業の展開による売上の増加が期待できる。

 

独自評価及びスコア

これまでの投資経験を活かしたデータ分析で、独自評価及びスコアを付けています。

独自評価スコア:D6

※独自評価スコアはD4(低評価)〜S20(高評価)まで存在します。

独自の評価指標

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル615社でした。

それらの企業データから、以下の9の項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。

  1. 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
  2. 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
  3. 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
  4. 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
  5. 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
  6. 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
  7. ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
  8. 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
  9. 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)

これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。

初値上昇率の予想

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は615社で、評価スコア「D6」の企業は37社ありました。

それら企業における初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。

過去データを基に算出した初値上昇率 横スクロールできます

平均値 103%(1.03倍)
最大値 165%(1.65倍)
最小値 79%(公募割れ)
中央値 101%(1.01倍)

過去6.5年間で公募割れした企業は14ありましたので、初値の公募割れリスクは38%です。

平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です

 

管理人のBBスタンス

過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。

公募割れリスクが高めで、また同日に人気を集めそうな別のIPO上場と重なっており、初値上昇の期待は薄いので、「IPOチャレンジポイントを獲得するためにSBI証券のみ100株のBB申込予定」です。

公開株数がかなり少ないのでBB当選は困難ですが、主幹事のJTG証券(旧HS証券)が狙い目です。

最後に

不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。

今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。

最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。