IPO

【オービーシステム】新規上場企業データ分析

株式会社オービーシステムは、技術革新が急速に進む情報サービス産業において、多種多様なハードウェア・ソフトウェア・メディア・通信ネットワークの中から最適なソリューションを組み合わせるシステムインテグレーションサービスを提供している。

東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。

企業概要

会社名

株式会社オービーシステム

創立年

1972年8月

本社所在地

〒541-0046 大阪市中央区平野町2-3-7 アーバンエース北浜ビル

事業内容

  • システムインテグレーションサービス
  • システムコンサルテーション
  • 汎用コンピュータ・ワークステーション・パソコン・マイコンに対応したアプリケーションソフトの開発
  • オープン系を中心としたネットワークシステムの構築
  • インターネット・Web系システムの開発

 

事業説明

株式会社オービーシステムは、システムインテグレーションサービスの提供やデジタルトランスフォーメーションやクラウドコンピューティングなどの技術分野に事業を展開しており、事業領域としては「金融事業」、「産業流通事業」、「社会公共事業」、「ITイノベーション事業」の4つのサービスラインに区別して運営している。

金融事業

地銀・都銀、保険、取引所、証券、クレジットの各分野のシステムインテグレーション、コンサルティング、ソフトウェアの設計・開発・保守などのサービスを提供。

産業流通事業

産業流通、マイコン、医療の各分野は東京・名古屋・大阪に組織を配置し、ソフトウェアの設計・開発・保守全般における総合サービスを提供。

社会公共事業

社会基盤(電力ICT、社会インフラ、電力系統、交通)分野、メディア情報分野、公共分野、文教・教育分野のシステムインテグレーション、コンサルティング、ソフトウェアの設計・開発・保守など、ソフトウェア開発の全領域に対応した総合サービスを提供。

ITイノベーション事業

2022年4月からスタートしたサービス事業で、地銀・都銀、保険、取引所、証券、クレジットの各分野のシステム全体を支えるフロントシステムエンジニアとして、システム全体の見積もり、業務支援アプリケーションパッケージの設定、オンプレミスシステム及びクラウドシステムのインフラ構築、プロジェクトマネージメントのサービスを提供。

財務状況

売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

 

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 売上 営利 経常 純利 EPS ROE ROA 営利率 原価率 販管費率
Mar-18 57.4億 436百万 247百万 111.23 6.51
Mar-19 59.1億 528百万 373百万 167.93 9.08
Mar-20 63.6億 478百万 321百万 144.42 7.32
Mar-21 60.7億 378百万 403百万 276百万 124.27 9.01 6.02 6.22 85.54 8.24
Mar-22 59.9億 414百万 483百万 339百万 152.5 10.04 7 6.9 84.53 8.56

 

財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 総資産 純資産 株主資本 自己資本比率 利益剰余金 BPS
Mar-18 37.9億 21.1億 55.6
Mar-19 41.1億 24.5億 59.7
Mar-20 43.8億 27.4億 62.4
Mar-21 45.8億 30.6億 29.3億 66.9 28.5億 1379.51
Mar-22 48.4億 33.7億 31.9億 69.7 31.1億 1518.65

 

IPO情報

新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。

基本情報

業種:情報通信業

銘柄コード:5576

上場区分:東証スタンダード

 

IPO日程

ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。

IPO主要日程 横スクロールできます

ブックビルディング期間 2023年6月6日〜6月12日
ブックビルディング抽選日 2023年6月13日
購入申込期間 2023年6月14日〜6月16日
上場日 2023年6月21日

 

IPO情報

IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。

IPO情報 横スクロールできます

公募株式総数 600,000株
売出株式比率 66.7%
O.A分 90,000株
想定価格 1,710円
仮条件価格 1,510円(88%)〜1,710円(100%)
公募価格 1,710円(予定)
吸収金額 11.80億円(予定)
ロックアップ 主に180日間
主幹事 SMBC日興証券

 

今後の展望や懸念事項

日立製作所グループのビジネスパートナーとして、46年間継続して取引関係を維持しており、取引安定性確保の観点からパートナー認定を継続して得ているため、盤石な基盤は整っている。

一方で、日立製作所グループへの過度な依存リスクが懸念され、今後も全社売上の比率を定量的に管理していくことが必要である。

そのためにも協力会社との関係強化を図り、外注管理実績による新規協力会社を選定したり、基礎・先端技術スキルをはじめ、ヒューマンスキルやプロジェクトマネージメントの向上など、積極的な人材育成が求められる。

独自評価及びスコア

これまでの投資経験を活かしたデータ分析で、独自評価及びスコアを付けています。

独自評価スコア:C10

※独自評価スコアはD4(低評価)〜S20(高評価)まで存在します。

独自の評価指標

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル615社でした。

それらの企業データから、以下の9の項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。

  1. 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
  2. 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
  3. 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
  4. 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
  5. 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
  6. 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
  7. ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
  8. 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
  9. 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)

これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。

初値上昇率の予想

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は615社で、評価スコア「C10」の企業は79社ありました。

それら企業における初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。

過去データを基に算出した初値上昇率 横スクロールできます

平均値 145%(1.45倍)
最大値 394%(3.94倍)
最小値 83%(公募割れ)
中央値 140%(1.4倍)

過去6.5年間で公募割れした企業は7ありましたので、初値の公募割れリスクは9%です。

平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です

 

管理人のBBスタンス

過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。

若干の公募割れリスクはありますが、概ね初値上昇が期待できますので、「すべての所有口座からBB申込予定」です。

主幹事のSMBC日興証券が狙い目です。

最後に

不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。

今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。

最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。