株式会社Labora.AIは、「すべての産業の新たな姿をつくる」「テクノロジーとビジネスをつなぐ」をミッ ションに、各産業の代表的な企業との協働を通し、顧客企業、産業、延いては社会全体の本質的な構造転換に貢献することを目指し、顧客企業固有の戦略や課題に合わせたオーダーメイドのAI開発とAI導入・コンサルティングを行う「カスタムAI」を展開している企業です。
東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。
企業概要
会社名
創立年
2016年4月1日
本社所在地
〒104-0061 東京都中央区銀座8丁目11-1
事業内容
- 機械学習を活用したオーダーメイド型AI「カスタムAI」の開発事業
- カスタムAI導入のためのコンサルティング事業
事業説明
株式会社Laboro.AIは、顧客企業固有の戦略や課題に合わせたオーダーメイドのAI開発とAI導入・コンサルティングを行う「カスタムAI」を展開しており、 AI技術に関する知見と顧客企業の戦略や課題への洞察を両立させた上で適切なAIソリュー ションの設計とビジネスデザインを行う能力を「ソリューションデザイン」として体系化し、 それを体現する当社独自のAIコンサルタント「ソリューションデザイナ」を擁しています。 カスタムAIサービスの提供においては、ソリューションデザイナと機械学習エンジニアが顧客企業と共にプロジェクトチームを組み、企画構想、AIソリューションの要件定義、開発・ PoC、導入・実装、継続的な再学習・チューニングまでを一気通貫で行います。

カスタムAIを提供する具体的な形態としては、「バリュー・マイニング(VM)事業」と 「バリュー・ディストリビューション(VD)事業」の二つの事業を展開しています。
バリュー・マイニング事業は、当社で先例のない AI テーマに対して一からソリューションを構築していく形態、一方のバリュー・ディストリビューション事業は、先行取組で蓄積されたノウハウや技術プラットフォームなどの資産を応用し、効率的・効果的・スピーディな価値創出を目指す形態でAI開発・コンサルティングを提供します。

財務状況
売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます
年度 | 売上 | 営利 | 経常 | 純利 | EPS | ROE | ROA | 営利率 | 原価率 | 販管費率 |
Mar-18 | 116百万 | – | 51百万 | 34百万 | 2.97 | – | 42.85 | – | – | – |
Mar-19 | 202百万 | – | 54百万 | 36百万 | 3.16 | – | 21.23 | – | – | – |
Sep-19 | 102百万 | – | -36百万 | -36百万 | -3.11 | – | 赤字 | – | – | – |
Sep-20 | 381百万 | – | 71百万 | 53百万 | 4.63 | – | 18.98 | – | – | – |
Sep-21 | 657百万 | 83百万 | 84百万 | 61百万 | 5.17 | 29.05 | 14.65 | 12.67 | 28.19 | 59.14 |
Sep-22 | 733百万 | -55百万 | -55百万 | -40百万 | -2.83 | 赤字 | 赤字 | -7.51 | 29.66 | 77.85 |
財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます
年度 | 総資産 | 純資産 | 株主資本 | 自己資本比率 | 利益剰余金 | 有利子負債 | 有利子負債比率 | BPS |
Mar-18 | 0.8億 | 0.44億 | – | 55.4 | – | – | – | – |
Mar-19 | 1.71億 | 0.81億 | – | 47.1 | – | – | – | – |
Sep-19 | 1.08億 | 0.45億 | – | 41.6 | – | – | – | – |
Sep-20 | 2.8億 | 0.98億 | – | 35 | – | – | – | – |
Sep-21 | 4.14億 | 2.09億 | 2.09億 | 50.4 | 149百万 | 75百万 | 35.88 | 17.8 |
Sep-22 | 13.2億 | 11.7億 | 11.7億 | 88.6 | 109百万 | 62百万 | 5.33 | 83.06 |
IPO情報
新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。
基本情報
業種:情報通信業
銘柄コード:5586
上場区分:東証グロース
IPO日程
ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。
IPO主要日程 横スクロールできます
ブックビルディング期間 | 2023年7月13日〜7月20日 |
ブックビルディング抽選日 | 2023年7月21日 |
購入申込期間 | 2023年7月24日〜7月26日 |
上場日 | 2023年7月31日 |
IPO情報
IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。
IPO情報 横スクロールできます
公募株式総数 | 4,164,500株 |
売出株式比率 | 57.7% |
O.A分 | 624,600株 |
想定価格 | 525円 |
仮条件価格 | 525円(100%)〜580円(110%) |
公募価格 | 580円(予定) |
吸収金額 | 27.78億円(予定) |
ロックアップ | 主に180日間 |
主幹事 | SMBC日興証券 |
今後の展望や懸念事項
「国内AIビジネス市場」の市場規模は、2021年実績の1兆1,609億円に対して、2025年には1兆7,422 億円になることが予測されています。そのうち株式会社Laboro.AIがビジネスを展開するAIの「構築サービス市場」は、2021年実績の 5,844億円に対して、2025 年には8,596億円になることが予測されています。SaaS のような低価格で即時導入可能なAIプロダクトを展開することで短期的に中規模な事業規模の確立を狙うアプローチとは異なり、市場におけるポジショニングの確保と組織ケイパビリティ(組織能力)の構築を行うことによって、安定的かつ成長性のあるビジネスモデルの確立が期待されます。
一方、日本企業においては、2021年度のIT予算の76%が業務効率化などの現行ビジネ スの維持・運営に投資(ランザビジネス予算)されており、新規製品・サービスの創出やビジネスモデル変革などにつながるビジネスの新しい施策展開を目的とする投資(バリューアップ予算)は24% と低い水準にあります。また、デジタル関連の取組が先行する米国企業と日本企業における取組成果の状況を比較すると、デジタルトランスフォーメーションに関する取組ですでに成果が出ている企業の割合が、米国では7割程度であるのに対し、日本では2割強と3分の1程度の水準にあります。国内企業におけるバリューアップ関連取組への投資および成果創出は先行マーケットに比べ遅れた状況にあり、株式会社Laboro.AIでは成長率の高いAI関連市場の中でも特に高い潜在成長力を持つと考え、バリューアップ型AIテーマを支援する市場をメインのターゲット市場と定めています。
株式会社Laboro.AIの主な特徴は、顧客企業の成長と構造転換に直結する新規製品・サービス創出やビジネスモデル変革等のビジネスの新しい施策展開に関連するAIテーマ(バリューアップ型AIテーマ) において、オーダーメイドのAI開発とAI導入・事業変革のコンサルティング(カスタムAI) を提供していること、そしてAIソリューションの開発とその導入によるビジネスの変革を支援する専門人材(ソリューションデザイナと機械学習エンジニア)が、先例のないテーマへのチャレンジを行い(バリュー・マイニング事業)、それらの取組にて構築されたノウハウや技術を蓄積し応用展開する(バリュー・ディストリビューション事業)という二つの提供形態を用意し連動させ、顧客企業との強固な関係を築いていることです。 それぞれの特徴が連携し相互強化するサイクルが回ることで優位性を構築しています。
独自評価及びスコア
これまでの投資経験を活かしたデータ分析で、独自評価及びスコアを付けています。
独自評価スコア:B14
※独自評価スコアはD4(低評価)〜S20(高評価)まで存在します。
独自の評価指標
2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル615社でした。
それらの企業データから、以下の9つの項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。
- 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
- 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
- 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
- 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
- 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
- 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
- ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
- 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
- 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)
これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。
初値上昇率の予想
2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は615社で、評価スコア「B14」の企業は51社ありました。
それら企業における初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。
過去データを基に算出した初値上昇率 横スクロールできます
平均値 | 211%(2.11倍) |
最大値 | 436%(4.36倍) |
最小値 | 118%(1.18倍) |
中央値 | 216%(2.16倍) |
過去6.5年間で公募割れした企業はありませんでした。
平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です。
管理人のBBスタンス
過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。
公募価格も低価格で人気が集まりそうな案件で、大幅な初値上昇が期待できそうなので、「すべての所有口座からBB申込予定」です。
主幹事のSMBC日興証券です。
最後に
不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。
今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。
最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。