株式会社クラダシは、「もったいないを価値へ~凸と凹をマッチングすることで世界を豊かにする」をミッションに掲げ、1.5次流通革命を通じて日本のフードロスの削減を目指す企業です。
東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。
企業概要
会社名
創立年
2014年7月
本社所在地
〒141-0021 東京都品川区上大崎3-2-1 目黒センタービル 5F
事業内容
ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」の運営
事業説明
株式会社クラダシは、「もったいないを価値へ~凸と凹をマッチングすることで世界を豊かにする」をミッションに掲げ、1.5次流通革命を通じて日本のフードロス削減を目指すショッピングサイトです。さまざまな理由で廃棄予定となっている商品をパートナー企業(サプライヤー)から安価で買 い取り、ウェブサイト・アプリ上で消費者(会員)に向けて販売しています。
また、売り上げの一部を環境保護・災害支援などに取り組むさまざまな社会貢献団体への寄付やクラダシ基金として活用し、SDGs17の目標を横断して支援しています。
財務状況
売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます
年度 | 売上 | 営利 | 経常 | 純利 | EPS | ROE | ROA | 営利率 | 原価率 | 販管費率 |
Jun-18 | 3.04億 | – | 3.1百万 | 0.72百万 | 0.21 | – | 0.87 | – | – | – |
Jun-19 | 5.32億 | – | 13百万 | 5.2百万 | 1.57 | – | 4.77 | – | – | – |
Jun-20 | 5.66億 | – | 19百万 | 5.7百万 | 0.66 | – | 2.64 | – | – | – |
Jun-21 | 12.6億 | 54百万 | 61百万 | 34百万 | 3.95 | 47.44 | 7.91 | 4.31 | 49.47 | 46.22 |
Jun-22 | 20.7億 | -75百万 | -74百万 | -80百万 | -8.35 | 赤字 | 赤字 | -3.6 | 51.12 | 52.48 |
財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます
年度 | 総資産 | 純資産 | 株主資本 | 自己資本比率 | 利益剰余金 | 有利子負債 | 有利子負債比率 | BPS |
Jun-18 | 0.83億 | 11百万 | – | 13.4 | – | – | – | – |
Jun-19 | 1.1億 | 16百万 | – | 14.8 | – | – | – | – |
Jun-20 | 2.15億 | 38百万 | – | 17.5 | – | – | – | – |
Jun-21 | 4.3億 | 72百万 | 72百万 | 16.7 | 46百万 | 173百万 | 241.11 | 8.32 |
Jun-22 | 10.5億 | 642百万 | 642百万 | 60.9 | -34百万 | 131百万 | 20.42 | 66.73 |
IPO情報
新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。
基本情報
業種:小売業
銘柄コード:5884
上場区分:東証グロース
IPO日程
ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。
IPO主要日程 横スクロールできます
ブックビルディング期間 | 2023年6月15日〜6月21日 |
ブックビルディング抽選日 | 2023年6月22日 |
購入申込期間 | 2023年6月23日〜6月27日 |
上場日 | 2023年6月30日 |
IPO情報
IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。
IPO情報 横スクロールできます
公募株式総数 | 3,300,000株 |
売出株式比率 | 65.2% |
O.A分 | 495,000株 |
想定価格 | 500円 |
仮条件価格 | 500円(100%)〜520円(104%) |
公募価格 | 1,580円(予定) |
吸収金額 | 19.73億円(予定) |
ロックアップ | 主に180日間 |
主幹事 | 大和証券 |
今後の展望や懸念事項
世界では今、本来食べられるはずの食料が廃棄される「フードロス」が大きな社会課題になっています。 なかでも日本は世界有数のフードロス大国です。この背景には、ロスが発生しやすい社会構造があります。食品業界の流通構造においては「3 分の 1 ルール」、「規格外品」、「季節品・終売品」やその他の理由により、消費可能な状態の食品が返品・廃棄されることで日本では年間 522 万トンのフードロスが発生しています。株式会社クラダシは、さまざまな理由で廃棄予定となっている商品をパートナー企業(サプライヤー)から安価で買い取り、ウェブサイト・アプリ上で消費者(会員)に向けて販売しています。
通常ルートである 1 次流通、中古販売である 2 次流通に対して、新品にもかかわらず、さ まざまな理由で流通過程で廃棄されてしまう商品を新たな1.5次流通させることにより、廃棄コスト削減と同時にCSR、CSV、SDGs、ESGなどの観点からもパートナー企業(サプライヤー)の企業価値向上につながるサーキュラーエコノミーを実現しています。
また、売上金の一部で環境保護などの社会貢献活動を支援する仕組みを構築しています。会員は、お手頃価格で商品を購入できるだけでなく、お買い物を通して「持続可能な社会の実現」に貢献できる”エコでソーシャルなビジネスモデル”を構築しています。「Kuradashi」の売上金の一部を社会貢献活動の支援金とし、その一部を社会課題の解決に取り組む団体に寄付しております。寄付の用途は環境保護、災害対策、医療・福祉サービスの充実などです。また外部団体へ寄付するだけでなく、その一部を「クラダシ基金」に積み立て、社会貢献活動の費用に充当しております。今後も「Kuradashi」を通じて、さまざまな社会課題解決のための活動を活性化・強化し、この社会貢献活動の輪をさらに広く深く展開していきます。
これらの事業コンセプトと社会貢献の取り組みに賛同し、多くのパートナー企業(サプライヤー)からの支持を拡大しており、フードロス削減においてなくてはならない存在になるために、中長期であるべき姿を「みんなトクする フードロス削減のインフラに」と設定し、今後もマーケットプレイス型取引の拡大などによって、ソーシャ ルグッドマーケット「Kuradashi」の成長が期待できます。
独自評価及びスコア
これまでの投資経験を活かしたデータ分析で、独自評価及びスコアを付けています。
独自評価スコア:D9
※独自評価スコアはD4(低評価)〜S20(高評価)まで存在します。
独自の評価指標
2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル615社でした。
それらの企業データから、以下の9つの項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。
- 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
- 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
- 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
- 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
- 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
- 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
- ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
- 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
- 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)
これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。
初値上昇率の予想
2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は615社で、評価スコア「D9」の企業は55社ありました。
それら企業における初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。
過去データを基に算出した初値上昇率 横スクロールできます
平均値 | 131%(1.31倍) |
最大値 | 365%(3.65倍) |
最小値 | 75%(公募割れ) |
中央値 | 119%(1.19倍) |
過去6.5年間で公募割れした企業は12社ありましたので、初値の公募割れリスクは22%です。
平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です。
管理人のBBスタンス
過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。
公募割れリスクが多少あり、また同日に複数のIPO上場と重なっているため、大幅な初値上昇の期待は薄いですが、「全ての証券口座からBB申込予定」です。
公開株数は多めに発行されていますのでBBには比較的に当選しやすい案件ですが、特に主幹事の大和証券が狙い目です。
最後に
不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。
今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。
最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。