東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。
企業概要
会社名
創立年
2002年1月28日
本社所在地
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1丁目34番地4
事業内容
リアルタイムかつ高精度な位置情報サービスとして「GNSS補正情報配信サービス」を提供
事業説明
ジェノバ社は位置情報等を必要とするお客さまに対して、GNSS測位(※)により発生したメートル級の誤差をセンチメートル級までに補正する情報を配信する、GNSS補正情報配信サービス等を営んでいます。
※GNSS測位とは
GPSなどに代表される衛星が発信する電波を利用して、受信機の緯度、経度、高度等を測定する方法。

近年、GPSをはじめGNSS衛星を使って測位することが身近になっていますが、衛星からの情報だけではどうしてもメートル級の誤差が生じてしまい、より正確な位置等 を求めるためには、その誤差を補正する作業が必要であり、ジェノバ社の補正情報等を利用することで、その誤差を補正しセンチメートル級の高精度な位置情報等を求めることが可能になります。
ジェノバ社は国土地理院が管理する全国約1,300点余りの電子基準点データを日本測量協会からデータ提供を受け、高精度位置補正情報データを生成し、様々な分野のお客さまへ提供しています。
お客さまの現在の位置を正確に伝達する「リアルタイムデータ配信」と、ドローン等で取得した観測記録を元に観測時の移動状況を後日分析の上、補正データを提供する「後処理データ配信」の2種類の配信サービスを提供しています。
リアルタイムデータ配信
当社のサービスを利用するお客さまは、ネットワーク通信を介して、お客さま側で単独測位した観測結果である位置情報をジェノバ社に送信した後、ジェノバ社から送信した位置に対する補正データを受信し、お客さま側の機器で解析することで、リアルタイムに高精度測位を行うことが可能になります。

後処理データ配信(PPK方式)
後処理データ配信は、現地でのネットワーク通信を必要とせず、お客さまが単独で衛星測位を行った後に、その観測したデータと、ジェノバ社が配信する後処理データによって高精度な位置情報を取得することができます。 基準局については、リアルタイムデータ配信の仮想点方式と電子基準点方式と同様に、物理的な機器の設置は不要で、指定された座標で仮想的に生成する方法と、あるいは電子基準点を指定することで取得できる方法があります。

測量・土地家屋調査やICT施工、IT農業などの分野に活用でき、省力化や人手負担の軽減に貢献することが期待できます。
財務状況
売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます
年度 | 売上 | 営利 | 経常 | 純利 | EPS | ROE | ROA | 営利率 | 原価率 | 販管費率 |
Sep-18 | 7.52億 | – | 329百万 | 227百万 | 17.24 | – | 21.89 | – | – | – |
Sep-19 | 8.74億 | – | 454百万 | 316百万 | 23.93 | – | 22.71 | – | – | – |
Sep-20 | 9.97億 | – | 527百万 | 364百万 | 27.58 | – | 19.8 | – | – | – |
Sep-21 | 10.5億 | 514百万 | 515百万 | 355百万 | 25.03 | 17.11 | 14.8 | 48.89 | 26.61 | 24.5 |
Sep-22 | 11.6億 | 596百万 | 597百万 | 412百万 | 29.04 | 18.02 | 15.35 | 51.3 | 24.08 | 24.61 |
財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます
年度 | 総資産 | 純資産 | 株主資本 | 自己資本比率 | 利益剰余金 | 有利子負債 | 有利子負債比率 | BPS |
Sep-18 | 10.4億 | 7.83億 | – | 75.4 | – | – | – | – |
Sep-19 | 13.9億 | 11億 | – | 79 | – | – | – | – |
Sep-20 | 18.4億 | 14.6億 | – | 79.6 | – | – | – | – |
Sep-21 | 24億 | 20.8億 | 20.8億 | 86.5 | 15億 | 19百万 | 0.92 | 146.34 |
Sep-22 | 26.9億 | 22.9億 | 22.9億 | 85.2 | 18.7億 | 4.1百万 | 0.18 | 161.16 |
IPO情報
新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。
基本情報
業種:情報通信業
銘柄コード:5570
上場区分:東証グロース
IPO日程
ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。
IPO主要日程 横スクロールできます
ブックビルディング期間 | 2023年4月3日〜4月7日 |
ブックビルディング抽選日 | 2023年4月10日 |
購入申込期間 | 2023年4月11日〜4月13日 |
上場日 | 2023年4月18日 |
IPO情報
IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。
IPO情報 横スクロールできます
公募株式総数 | 800,000株 |
売出株式比率 | 0.0% |
O.A分 | 120,000株 |
想定価格 | 450円 |
仮条件価格 | 450円(100%)〜470円(104%) |
公募価格 | 470円(予定) |
吸収金額 | 4.32億円(予定) |
ロックアップ | 90日間または1.5倍 |
主幹事 | 大和証券 |
今後の展望や懸念事項
GNSS補正情報配信サービス等は、従来、道路や建物の建設前の位置情報取得や不動産登記時に行われる土地の範囲・区画の特定、土木工事や造成工事など、主に測量領域で必要とされており、高精度の測位を可能とするGNSS機器の低価格化やIoTの広がり、測位技術の進化により、高精度の位置データの活用領域は広がりつつあります。
また、農林水産省によるスマート農業の推奨、国土交通省によるICT化の推奨などの追い風も支えとなり、省力化や人手負担の軽減に高精度なGNSS補正情報サービスが大きく貢献することが期待できます。
このような背景下において、ジェノバ社のGNSS補正情報サービスは、以下のようなアドバンテージを持っています。
- 国土地理院の電子基準点約1,300点を活用した仮想点方式による配信処理、測地成果への整合
- 地殻変動の影響も加味していること
- 観測支援ツールの提供
- GNSS受信機別の技術検証に合格したデータ配信であること
- 補正情報の品質チェック、配信システムの冗長化
独自評価及びスコア
これまでの投資経験を活かしたデータ分析で、独自評価及びスコアを付けています。
独自評価スコア:B13
※独自評価スコアはD4(低評価)〜S20(高評価)まで存在します。
独自の評価指標
過去6年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル591社でした。
それらの企業データから、以下の9つの項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。
- 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
- 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
- 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
- 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
- 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
- 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
- ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
- 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
- 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)
これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。
初値上昇率の予想
過去6年間にIPO新規上場(IPO)した企業は591社で、評価スコア「B13」の企業は42社ありました。
それら企業における初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。
過去データを基に算出した初値上昇率 横スクロールできます
平均値 | 223%(2.23倍) |
最大値 | 596%(5.96倍) |
最小値 | 107%(1.07倍) |
中央値 | 210%(2.10倍) |
過去6年間で公募割れした企業はありません。
平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です。
管理人のBBスタンス
過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。
ジェノバ社は大幅な初値上昇が見込めるため、「すべての所有口座からBB申込予定」です。
主幹事は大和証券ですが、公開株数が少ないので、ブックビルディングの当選は難易度が高めです。
最後に
不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。
今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。
最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。