IPO

【日本システムバンク】新規上場企業データ分析

東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。

企業概要

会社名

日本システムバンク株式会社

創立年

1996年7月10日

本社所在地

  • 福井本社 〒910-0006 福井県福井市中央3-5-21
  • 東京本社 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-7-5-506

 

事業内容

コインパーキングの運営を主軸にして、様々な事業を運営しています。

  • コインパーキングの企画、設計、施工、販売、運営、管理業務
  • EV/PHV向け充電スタンドの企画、設計、施工、販売、運営、管理業務
  • 駐輪場システムの企画、開発、設計、施工、販売、運営、管理業務
  • システム開発、ソフト開発業務
  • セキュリティシステム製造、販売業務
  • 電子商取引業務
  • 警備業務 土地有効活用コンサルタント業務(貸地を含む)
  • 不動産管理業務
  • ドローンスクールの運営、ドローンによる空撮、点検、監視、測量、運搬、散布業務
  • 民芸品、工芸品の展示、販売及び店舗の企画、運営業務
  • 宅地建物取引業 (国土交通大臣 (4) 第6394号)
  • 一般建設業 (国土交通大臣 許可(般-30)第25203号)

 

事業説明

日本システムバンク社は、「コインパーク事業」、「プロパティマネジメント事業」および「その他の事業」を運営しています。

コインパーキング事業

「コインパーキングの運営から駐車場機器の供給・メンテナンスを手掛ける駐車場管理の総合商社」として、土地所有者の要望に応じて、土地所有者から賃借した土地にコインパーキングを開設・運営し、土地所有者へ土地の賃借料を支払うビジネスモデルや、コインパーキングの造成からコインパーキングの利用者からの入電の受付、場内でのトラブル発生時における駆け付け対応、駐車場機器の定期点検業務等、コインパーキングの開設から運営に必要なサービスでバックアップするビジネスモデルなど、様々な体制で事業を運営しています。

直営駐車場・駐輪場数及び管理受託駐車場・駐輪場数は順調に伸びており、2023年1月末現在、45都道府県で7,344 件、132,270車室を展開中。

 

プロパティマネジメント事業

プロパティマネジメント事業は、自社で所有しているテナントビル及びマンションを個人又は法人に賃貸する不動産業です。

2023年1月末現在で、福井県と石川県に合計14件のテナントビル等を所有しています。

その他の事業

その他の事業しては、工芸品の販売事業及びドローン事業であります。

工芸品の販売事業

福井県内の工芸作家から工芸品の販売を受託し、工芸作家から販売手数料を受領し、福井県福井市の「ふくい工芸舎」にてその工芸品の販売を行っています。

ドローン事業

ドローンの操縦技能を習得しようとする者に対して、ドローンを操縦するのに必要な知識と技能を教習します。教習指導は当社グループの社員又は外部委託の講師が行い、受講料を主な売上としています。

財務状況

売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 売上 営利 経常 純利 包括 EPS ROE ROA 営利率 原価率 販管費率
Jun-18 60.8億 165百万 73百万 70.23 1.1
Jun-19 62.3億 97百万 0.32百万 0.31 0
Jun-20 64.1億 -27百万 27百万 25.4
Jun-21 69.5億 -90百万 -90百万 -339百万 -336百万 -324.73 赤字 赤字 -1.3 80.23 21.07
Jun-22 67.8億 355百万 340百万 179百万 187百万 171.64 10.84 2.59 5.23 73.54 21.23

 

財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 総資産 純資産 株主資本 自己資本比率 利益剰余金 有利子負債 有利子負債比率 BPS
Jun-18 66.7億 16.3億 24.5
Jun-19 65.9億 16億 24.3
Jun-20 18.4億
Jun-21 71.9億 14.7億 14.8億 20.5 425百万 38.6億 262.02 1409.74
Jun-22 69.3億 16.6億 16.6億 23.9 599百万 33.2億 200.45 1583.75

 

IPO情報

新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。

基本情報

業種:不動産業

銘柄コード:5530

上場区分:名証メイン

 

IPO日程

ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。

IPO主要日程 横スクロールできます

ブックビルディング期間 2023年3月29日〜4月4日
ブックビルディング抽選日 2023年4月5日
購入申込期間 2023年4月6日〜4月10日
上場日 2023年4月14日

 

IPO情報

IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。

IPO情報 横スクロールできます

公募株式総数 150,000株
売出株式比率 33.3%
O.A分 22,500株
想定価格 1,800円
仮条件価格 1,800円(90%)〜1,880円(104%)
公募価格 1,880円(予定)
吸収金額 3.24億円(予定)
ロックアップ 個人に対しては180日間、企業に対しては90日間または1.5倍
主幹事 岡三証券

 

今後の展望や懸念事項

都市部を中心とした慢性的な駐車場不足が続くことが予想されており、自動車業界における「CASE(Conected:コネクテッド、Autonomus(自動運転)、Shared&Services:カーシェアリングとサービス、Electric(電気自動車)」という技術革新の波の中で、コインパーキング業界にも大きな構造変化が起こることが予想されています。

一方で、原油価格の高騰や地価の高騰における経済環境の変化、若者の車離れなどのリスクもあります。

  • 土地所有者との賃貸借契約の解約
  • 自然災害リスク
  • 原油価格高騰などに伴う経済環境の変化
  • 地価上昇に伴う価格上昇リスク
  • その他、感染症リスクなど

 

今後、有休不動産の優れた活用方法のひとつとして「コインパーキング」を提案することで、駐車場不足の解消に取り組みつつ、日本システムバンク社の最大の強みである運営及び管理受託駐車場・駐輪場数7,344件にCASEを掛け合わせ、車社会の発展とともにビジネスの拡大を期待しています。

独自評価及びスコア

これまでの投資経験を活かしたデータ分析で、独自評価及びスコアを付けています。

独自評価スコア:D7

※独自評価スコアはD4(低評価)〜S20(高評価)まで存在します。

独自の評価指標

過去6年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル591社でした。

それらの企業データから、以下の9の項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。

  1. 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
  2. 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
  3. 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
  4. 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
  5. 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
  6. 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
  7. ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
  8. 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
  9. 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)

これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。

初値上昇率の予想

過去6年間にIPO新規上場(IPO)した企業は591社で、評価スコア「D7」の企業は51社ありました。

それら企業における初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。

過去データを基に算出した初値上昇率 横スクロールできます

平均値 112%(1.12倍)
最大値 215%(2.15倍)
最小値 75%(公募割れ)
中央値 101%(1.01倍)

公募割れした企業は23社あり、約45%の企業が初値で公募価格を下回ったことになります。

平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です

 

管理人のBBスタンス

過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。

日本システムバンク社の初値は公募割れ(初値が公募価格を下回ること)のリスクがありますので、「SBI証券口座のみIPOチャレンジポイントを獲得するために100株分のみBB申込、その他のすべての所有口座はBB辞退する予定」です。

主幹事の岡三証券が狙い目ですが、吸収金額が3億円で、公開株数が172,500枚の小型IPOなので、ブックビルディングの当選は難易度が高めです。

最後に

不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。

今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。

最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。