IPO

【ホロスホールディングス】新規上場企業データ分析

株式会社ホロスホールディングスは、「企業や個人に安心で豊かな生活と夢の実現を支援し続けます」というグループ企業理念のもと、「May I HOLOS You? あなたらしい素敵な「活き方」応援します」をコーポレート・ メッセージとして、総合生活支援業をを行っている企業です。

東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。

企業概要

会社名

株式会社ホロスホールディングス

創立年

2014年2月3日

本社所在地

〒604-8152京都市中京区烏丸通錦小路上ル手洗水町659 烏丸中央ビル4F

事業内容

  • 保険代理店事業
  • 土地バンクリース事業
  • 教育研修・マーケティング事業

 

事業説明

株式会社ホロスホールディングスは、主要な事業として、保険代理店事業を担う株式会社ホロスプランニング、京都に本拠を置き近畿地方を中心に土地の有効活用の提案を行う株式会社ジェー・ピー・デ ィー、保険募集活動を通じて修得したコミュニケーションスキルを活用した営業研修や、保険契約管理システムの他保険代理店への教育・マーケティング事業を行う株式会社エルティヴィーの3つの事業を運営しています。

保険代理店事業(株式会社ホロスプランニング)

保険代理店事業は、連結子会社株式会社ホロスプランニングが保険代理店として全国主要都市にオ フィスを展開し、200名を超える将来設計士が全国規模で訪問販売を中心に広域型の生損保乗合保険代理店として事業を行っています。 保険募集人を「将来設計士」とブランド化し、顧客ひとりひとりの「ありたい未来」に応えるため、複数の保険会社にある多種多様な保険商品を比較検討し、顧客に合った商品を提案しています。

土地バンクリース事業(株式会社ジェー・ピー・ディー清水)

土地バンクリース事業は、2018年1月に当社グループに加わった株式会社ジェー・ピー・ディー清水が、主としてサブリースを行っております。近畿地方を中心に農地などの土地保有者から遊休土地を借り受け、土地活用価値を高めたうえで運送事業者等の大口土地ユーザーに転貸等を行う土地バンクリース事業を展開しており、事業用土地として長期契約がベースとなるため安定的かつ収益性の高い事業となっています。また、主力事業である保険代理店事業は、全国に200名を超える将来設計士を配置して幅広い層に保険募集活動を行っておりますが、保険顧客のなかには不動産活用を希望される顧客もおり、こうしたニーズに対応するべく全国の将来設計士が保険募集活動で培った営業力をベースに同社の事業と連携することで、土地バンクリース事業の全国展開や同社の契約地主様の相続対策など保険商品を利用したご提案を行うなど相互にシナジー効果を発揮しています。

教育・マーケティング事業(株式会社エルティヴィー)

保険業界の周辺事業として、将来設計士が持つ顧客に対するコミュニケーションスキルを教育研修サービスとして提供する活動を行っています。保険業界は、保険募集人の報酬制度に歩合制を導入する企業が多く、その保険募集人には高度な営業スキルが求められます。そのような業界において営業実績を残している保険募集人は、顧客に対するコミュニケーション能力を有していると考えており、教育研修事業に対しては、保険営業においてこのような営業実績を誇る将来設計士のコミュニケーションスキルを可視化して、金融機関の富裕層に特化した営業部門やハウスメーカーなど高額商品を取り扱う営業部門等に対して教育研修サービスを提供しています。教育研修を行うことで当社グループの将来設計士の認知度を高める一方、他社の保険募集人に対してのア ピールとなり将来設計士のリクルーティングに寄与しています。 また、保険代理店であるホロスプランニングのノウハウを凝縮した保険契約管理システムを競合の保険代理店に外販しています。

 

財務状況

売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 営業収益 営利 経常 純利 包括 EPS ROE ROA 営利率 原価率 販管費率
Jul-18 2.62億 55百万 -615百万 -209.12 赤字
Jul-19 2.59億 33百万 144百万 43.69 8.66
Jul-20 2.63億 20百万 42百万 12.9
Jul-21 71.9億 582百万 575百万 345百万 345百万 104.77 21.94 9.18 8.1 76.44 15.46
Jul-22 53.7億 365百万 359百万 235百万 235百万 70.17 12.68 6.46 6.8 73.82 19.38

 

財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 総資産 純資産 株主資本 自己資本比率 利益剰余金 有利子負債 有利子負債比率 BPS
Jul-18 13.6億 11.5億 80.6
Jul-19 16.6億 15.2億 91.2
Jul-20 12.3億
Jul-21 37.6億 15.8億 15.7億 41.8 -272百万 849百万 54.02 477.58
Jul-22 36.4億 18.5億 18.5億 50.9 -37百万 487百万 26.27 553.19

 

IPO情報

新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。

基本情報

業種:保険業

銘柄コード:5839

上場区分:東証スタンダード

 

IPO日程

ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。

IPO主要日程 横スクロールできます

ブックビルディング期間 2023年7月5日〜7月11日
ブックビルディング抽選日 2023年7月12日
購入申込期間 2023年7月13日〜7月18日
上場日 2023年7月21日

 

IPO情報

IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。

IPO情報 横スクロールできます

公募株式総数 1,548,400株
売出株式比率 100.0%
O.A分 232,200株
想定価格 1,710円
仮条件価格 1,710円(100%)〜1,840円(108%)
公募価格 1,840円(予定)
吸収金額 32.76億円(予定)
ロックアップ 主に180日間または1.5倍
主幹事 SMBC日興証券

 

今後の展望や懸念事項

株式会社ホロスホールディングスは、第一に将来設計士の拡大及び組織営業の強化、第二にライフデザイン&サポート事業への進出を目指し、総合生活支援業に領域を拡大することを目指しています。

具体的な取り組みとしては下記の通りです。

将来設計士の拡大及び組織営業の強化

a.将来設計士の拡大

新たに採用した将来設計士は約70%が既存保険募集人からの紹介となっています。既存保険募集人からの紹介の場合、新規採用者のスキルレベルと当社が将来設計士に求めるレベル感に乖離が生じにくいことや定着率がよいことなどから、新規採用者と会社の信頼関係がより強固なものとなります。こうしたリファーラルリクルーティングをより一層推進しています。また、既存将来設計士をゲストに迎えたオンラインセミナーを開催し、これまでご縁のなかった保険募集人に当社グループを知っていただく機会を提供しています。

b.組織営業の強化

当社グループには将来設計士以外に固定給型保険募集人を提携先の企業への訪問販売や来店型保険ショップに配しています。「待ち」のスタンスで、人脈を軸とした将来設計士の顧客開拓ルートからは外れた潜在顧客層に訴求しニーズを拾い上げるために成功報酬型の将来設計士ではなく、固定給型の保険募集人を提携先等に派遣して「若手」保険募集人に活躍の場を提供しています。これらの固定給型保険募集人には将来設計士への登用の選択肢を用意しています。 この施策を進めることで将来設計士によるリファーラルマーケティングに加え、固定給型保険募集人による提携を通じた組織的営業(いわば直販)を拡充し、収益体質の強化と底上げを図っています。

これらの成長戦略を進める上で、株式上場による社会的信用や知名度の向上を通じて、優秀な人材の確保、 保険代理店としての信頼度の向上を図っています。

総合生活支援業としてのサービスラインアップの強化

a.IFA事業への参入

保険募集活動を通じて保険顧客と良好な信頼関係を築いている将来設計士は、保険提案はもちろんのこと、遊休土地の有効活用に向けた提案の橋渡しを行うなど、将来設計士は本業と親和性のあるサービスラインア ップの提供を会社に求めています。こうした声を背景に、株式会社ジェー・ピー・ディー清水をグループに迎え入れてサービスラインアップを増やすとともに、加えてIFA事業参入に向けて環境の調査を行い、免許取得の準備を進めております。この取り組みによって更なるサービスラインアップの拡充に取り組みます。 

b.ヘルスケア事業(健康寿命延伸推進事業)領域への参入

保険業界は大手保険会社を中心に、急速にヘルスケアサービスを事業の中に取込んでおり、高齢化が急伸する日本において、保険事業者が健康寿命の延伸に事業領域を広げることは社会的にも事業的にも意義があります。当社グループも総合生活支援の一環として、長期戦略の中で、ヘルスケア領域への参入を検討しています。

以上により、将来設計士を核としてグループ各社が展開する各種サービスの有機的な結合を構築しており、現在その途上にあり、今後は当社グループが持つサービスラインアップと顧客を結びつける施策の継続的な追求を図っていきます。

独自評価及びスコア

これまでの投資経験を活かしたデータ分析で、独自評価及びスコアを付けています。

独自評価スコア:D6

※独自評価スコアはD4(低評価)〜S20(高評価)まで存在します。

独自の評価指標

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル615社でした。

それらの企業データから、以下の9の項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。

  1. 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
  2. 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
  3. 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
  4. 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
  5. 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
  6. 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
  7. ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
  8. 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
  9. 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)

これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。

初値上昇率の予想

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は615社で、評価スコア「D6」の企業は37社ありました。

それら企業における初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。

過去データを基に算出した初値上昇率 横スクロールできます

平均値 103%(1.03倍)
最大値 165%(1.65倍)
最小値 79%(公募割れ)
中央値 101%(1.01倍)

過去6.5年間で公募割れした企業は14ありましたので、初値の公募割れリスクは38%です。

平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です

 

管理人のBBスタンス

過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。

公募割れリスクが高めで、また同日に人気を集めそうな別のIPO上場と重なっており、初値上昇の期待は薄いので、「IPOチャレンジポイントを獲得するためにSBI証券のみ100株のBB申込予定」です。

主幹事のSMBC日興証券が狙い目です。

最後に

不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。

今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。

最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。