IPO

【GSI】新規上場企業データ分析

株式会社GSIは、ITエンジニアの派遣契約・準委任契約に基づくシステム開発・運用保守等を行うことや、請負契約に基づくシステムの受託開発を行う等の形態でサービスを提供している企業です。

東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。

企業概要

会社名

株式会社GSI

創立年

2004年10月5日

本社所在地

〒060-0807 札幌市北区北7条西1丁目 SE札幌ビル13F

事業内容

  • ソフトウェア・システム開発事業
  • スマートフォン・モバイルソフトウェア開発事業
  • インターネットサービス事業
  • 人材派遣事業

 

事業説明

近年様々な産業においてIT化・デジタル化が進む中、日本においては深刻な社会問題として慢性的にIT人材が不足しており、ITの開発力不足に悩む企業に対し、株式会社GSIはITエンジニアの派遣契約・準委任契約・請負契約に基づくシステム開発・運用保守を行うことや、請負契約 に基づくシステムの受託開発を行う等の形態でサービスを提供している。

特定の業種に 依存せず、産業領域に特化しないことで、製造業、サービス業等様々な業種の顧客企業にサー ビスを展開している。

常駐開発サービス

システムエンジニア/プログラマー/運用管理・保守等の幅広いITエンジニアをご提案しており、派遣契約に基づく常駐開発サービスは「労働力の提供」になり、準委任契約に基づく常駐開発サービスは「技術の提供」になる。

受託開発サービス

主に常駐開発サービスを通じて首都圏の顧客から依頼される新規開発・保守開発等を持帰りの形態にて受託し、納品するサービスを展開している。
様々なシステム開発の経験・ノウハウをもつ技術者が、札幌、東京、福岡、大阪、仙台に分散しており、リモート開発といった対応を行うことができ、顧客のニーズに柔軟に対応できる社内体制を整備している。

 

 

財務状況

売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 売上 営利 経常 純利 EPS ROE ROA 営利率 原価率 販管費率
Sep-17 16.5億 140百万 123百万 72.9 12.97
Mar-18 10.1億 74百万 34百万 19.93 3.09
Mar-19 19.2億 162百万 136百万 80.36 9.8
Mar-20 25.3億 389百万 244百万 144.13 17.14
Mar-21 30億 434百万 454百万 314百万 185.44 29.01 16.94 14.49 73 12.51
Mar-22 33.8億 446百万 442百万 303百万 178.06 23.22 13.57 13.2 74.51 12.29

 

財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 総資産 純資産 株主資本 自己資本比率 利益剰余金 有利子負債 有利子負債比率 BPS
Sep-17 9.51億 4.23億 44.5
Mar-18 10.9億 4.57億 41.9
Mar-19 13.9億 5.89億 42.4
Mar-20 14.2億 8.12億 57.1
Mar-21 18.5億 10.8億 10.8億 58.4 9.71億 197百万 18.27 639.2
Mar-22 22.3億 13億 13.1億 58.5 11.9億 318百万 24.37 766.96

 

IPO情報

新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。

基本情報

業種:情報通信業

銘柄コード:5579

上場区分:札証

 

IPO日程

ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。

IPO主要日程 横スクロールできます

ブックビルディング期間 2023年6月9日〜6月15日
ブックビルディング抽選日 2023年6月16日
購入申込期間 2023年6月19日〜6月21日
上場日 2023年6月27日

 

IPO情報

IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。

IPO情報 横スクロールできます

公募株式総数 300,000株
売出株式比率 0.0%
O.A分 45,000株
想定価格 1,300円
仮条件価格 1,300円(100%)〜1,350円(104%)
公募価格 1,350円(予定)
吸収金額 4.66億円(予定)
ロックアップ 主に180日間
主幹事 岡三証券

 

今後の展望や懸念事項

近年様々な産業においてIT化・デジタル化が進む中、日本においては深刻な社会問題として慢性的に IT人材が不足しており、ITの開発力不足に悩む企業に対し、株式会社GSIはITエンジニアの派遣契約・準委任契約に基づくシステム開発・運用保守等を行うことや、請負契約に基づくシステムの受託開発を行う等の形態でサービスを提供しており、今後の成長が期待できます。

顧客企業を通じて、情報通信業、金融・保険業。卸売・小売業、電気・ガス・熱供給・水道業などの様々な業種のエンドユーザー企業のシステム開発・運用保守を幅広く行うことにより、特定の企業・案件に依存せずに受注を獲得しているため、取引先の裾野が広く多くの取引先から受注を獲得している。

一方、IT業界は技術革新が速く、企業の優位性を維持するためには、技術革新に即座に追従する必要があり、優秀な人材確保や育成が今後の重要な課題になります。

独自評価及びスコア

これまでの投資経験を活かしたデータ分析で、独自評価及びスコアを付けています。

独自評価スコア:D8

※独自評価スコアはD4(低評価)〜S20(高評価)まで存在します。

独自の評価指標

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル615社でした。

それらの企業データから、以下の9の項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。

  1. 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
  2. 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
  3. 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
  4. 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
  5. 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
  6. 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
  7. ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
  8. 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
  9. 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)

これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。

初値上昇率の予想

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は615社で、評価スコア「D8」の企業は34社ありました。

それら企業における初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。

過去データを基に算出した初値上昇率 横スクロールできます

平均値 112%(1.12倍)
最大値 198%(1.98倍)
最小値 63%(公募割れ)
中央値 105%(1.05倍)

 

過去6.5年間で公募割れした企業は13ありましたので、初値の公募割れリスクは38%です。

平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です

 

管理人のBBスタンス

過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。

公募割れリスクが高めで、また同日に複数のIPO上場と重なっており、初値上昇の期待は薄いので、「やや控えめに各証券口座からBB申込予定」です。

公開株数がかなり少ないのでBB当選は困難ですが、主幹事の岡三証券(岡三オンライン証券)が狙い目です。

最後に

不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。

今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。

最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。