IPO

【Globee】新規上場企業データ分析

株式会社Globeeは、オンライン英語学習プラットフォームの開発・運営している企業です。

東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。

企業概要

会社名

株式会社Globee

創立年

2014年6月12日

本社所在地

〒106-0044 東京都港区東麻布1丁目7番3号

事業内容

  • AI英語学習アプリ「abceed」
  • 反転学習プラットフォーム「abceed for school」
  • AI英語スクール「ABCEED ENGLISH」の開発·運営

 

事業説明

株式会社Globeeは、スマートフォン向けアプリおよびウェブ上で利用できるAI英語教材アプリ「abceed」の企画・開発や反転学習プラットフォーム「abceed for school」、AI英語スクール「ABCEED ENGLISH」の開発など、教育主要4分野と呼ばれる「学習ツール」「教材」「テスト」「スクール」をデジタル化し、融合させた英語学習におけるAI学習プラットフォームを構築している。

ユーザー数および有料会員数も右肩上がりに増加しています。

財務状況

売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 売上 営利 経常 純利 EPS ROE ROA 営利率 原価率 販管費率
May-18 31百万 -5.3百万 -5.5百万 -1.24 赤字
May-19 99百万 11百万 11百万 2.24 7.32
May-20 223百万 18百万 14百万 2.85 5.41
May-21 411百万 -23百万 -25百万 -26百万 -5.3 赤字 赤字 -5.68 62.51 43.16
May-22 709百万 64百万 62百万 54百万 11.14 54.32 8.39 9.02 56.7 34.27

 

財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 総資産 純資産 株主資本 自己資本比率 利益剰余金 有利子負債 有利子負債比率 BPS
May-18 13百万 -3.2百万 -25.1
May-19 150百万 58百万 38.5
May-20 257百万 72百万 27.9
May-21 426百万 46百万 46百万 10.8 -17百万 132百万 288.96 9.37
May-22 649百万 100百万 100百万 15.4 37百万 77百万 76.55 20.5

 

IPO情報

新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。

基本情報

業種:情報通信業

銘柄コード:5575

上場区分:東証グロース

 

IPO日程

ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。

IPO主要日程 横スクロールできます

ブックビルディング期間 2023年5月30日〜6月5日
ブックビルディング抽選日 2023年6月6日
購入申込期間 2023年6月7日〜6月9日
上場日 2023年6月14日

 

IPO情報

IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。

IPO情報 横スクロールできます

公募株式総数 828,300株
売出株式比率 86.6%
O.A分 124,200株
想定価格 1,080円
仮条件価格 1,080円(100%)〜1,150円(106%)
公募価格 1,150円(予定)
吸収金額 10.95億円(予定)
ロックアップ 主に180日間
主幹事 大和証券

 

今後の展望や懸念事項

オンライン英語学習プラットフォームは、自宅や外出先で気軽にレッスンを受けられるという利点があり、料金も比較的安く、レベルや目的に合わせてコースを選べるというメリットもあります。

株式会社Globeeは、教材コンテンツプラットフォームによるユーザー獲得の優位性や英語特化によるユーザビリティの追及、AI活用による学習成果の優位性があります。

一方で日本の教育のデジタル化は遅れており、また、オンライン英語学習プラットフォームは競合が多く、差別化が難しいという問題があります。オンライン英語学習プラットフォームは、インターネット環境やデバイスの性能に依存するという欠点もあり、ユーザーが快適に学習できるように、サーバーやアプリの安定性やセキュリティを向上させる必要があります。

AI業界は技術革新が速く、企業の優位性を維持するためには、技術革新に即座に追従する必要があり、優秀な人材確保や育成が今後の重要な課題になります。

独自評価及びスコア

これまでの投資経験を活かしたデータ分析で、独自評価及びスコアを付けています。

独自評価スコア:C12

※独自評価スコアはD4(低評価)〜S20(高評価)まで存在します。

独自の評価指標

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル615社でした。

それらの企業データから、以下の9の項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。

  1. 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
  2. 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
  3. 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
  4. 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
  5. 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
  6. 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
  7. ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
  8. 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
  9. 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)

これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。

初値上昇率の予想

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は615社で、評価スコア「C12」の企業は50社ありました。

それら企業における初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。

過去データを基に算出した初値上昇率 横スクロールできます

平均値 206%(2.06倍)
最大値 442%(4.42倍)
最小値 85%(公募割れ)
中央値 197%(1.97倍)

過去6.5年間で公募割れした企業は3ありましたので、初値の公募割れリスクは6%です。

平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です

 

管理人のBBスタンス

過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。

Globee社は若干の公募割れリスクはありますが、概ね初値上昇が期待できますので、「すべての所有口座からBB申込予定」です。

主幹事の大和証券が狙い目です。

最後に

不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。

今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。

最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。