東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。
企業概要
会社名
創立年
2003年10月10日
本社所在地
〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神4-1-7 第3明星ビル6F
事業内容
- Webシステム / スマートフォンアプリ開発
- AI・機械学習 / IoTシステム開発
- クラウドインフラ(Amazon Web Services)
- プロダクト事業
- コンサルティング(事業戦略・業務改革・IT・組織人事)
事業説明
IT技術を活用して、クライアントのシステム開発、ビジネスモデル変革を支援するデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」という)事業を展開しています。
ここ数十年のITの進化は、通信・ネットワークをはじめとした「インフラ資源」とコンピュータ・サーバーなど の「計算資源」が性能を大幅に向上し、それらの上で動く様々なアプリケーション「ソフトウェア資源」が活用の幅を広げてきました。また、ソフトウェア資源により取得・加工される様々な情報「データ資源」はAIやIoT技術 の発達により爆発的に増加しています。 進化のプロセスの中で、これら4つの資源「インフラ資源」「計算資源」「ソフトウェア資源」「データ資源」 は、個別の企業・組織で利活用するものから、徐々に共有化・汎用化していく流れが加速しています。
具体的には主に以下の2つのサービスを提供しています。
1つ目は、「インフラ資源」「計算資源」「ソフトウェア資源」に関する事業をクラウドインテグレーションサ ービスとし、クラウドコンピューティングの提供やソフトウェアを中心としたソリューションの提供を行っています。
2つ目は、企業・組織が持つ「データ資源」を解析・活用する事業をデータインテグレーションサービスとし、AIやIoTといった技術領域を中心にソリューションを提供しています。
Fusicが独自に、クライアントの作業効率と機能性、操作性を考え抜いて開発した5つのプロダクトを紹介します。
360(さんろくまる)
人事課題を解決するための本人フィードバックツール
業種・業界、企業規模を問わずに幅広いクライアント向けに開発され、1000社以上が利用する人材育成のための効果的なWebサービス。
mockmock
IoTテスト用仮想デバイス作成サービス
IoT開発の知見から生まれたエンジニア向け開発支援サービス。仮想デバイスから任意の疑似データを生成・送信することで、実デバイスなしで簡単にテストや負荷試験が実施できる。
sigfy
導入・運用がとにかく楽な連絡サービス
連絡をメールやLINE、スマホアプリといった複数の方法で受け取ることができる連絡サービス。学校法人・保育園・企業など、数万人ものユーザーに連絡を届けている。
Lab.Console
コンピューティングリソース調達サービス
研究者のコンピューティングリソース調達をサポートするためのサービス。簡単な操作・支払方法でクラウドサービスを利用開始から運用までサポート。
Yagula
ドメイン・SSLの有効期限管理、死活監視サービス
ドメイン・SSLの有効期限管理やウェブサイトの死活監視を行うことができるサービス。URLを登録するだけで「いつの間にかウェブサイトがアクセスできなくなっていた」を解決する。
財務状況
売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます
年度 | 売上 | 営利 | 経常 | 純利 | EPS | ROE | ROA | 営利率 | 原価率 | 販管費率 |
Jul-17 | 4.85億 | – | 30百万 | 24百万 | 23.84 | – | 7.87 | – | – | – |
Jul-18 | 5.52億 | – | 13百万 | 18百万 | 17.75 | – | 3.11 | – | – | – |
Jul-19 | 6.73億 | – | 13百万 | 77百万 | 77.21 | – | 13.04 | – | – | – |
Jun-20 | 6.31億 | – | 33百万 | 13百万 | 13.3 | – | 2.39 | – | – | – |
Jun-21 | 7.62億 | -38百万 | -43百万 | -26百万 | -25.95 | 赤字 | 赤字 | -5.02 | 73.23 | 31.8 |
Jun-22 | 11.2億 | 70百万 | 71百万 | 44百万 | 44.03 | 17.92 | 6.49 | 6.24 | 65.38 | 28.38 |
財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます
年度 | 総資産 | 純資産 | 株主資本 | 自己資本比率 | 利益剰余金 | 有利子負債 | 有利子負債比率 | BPS |
Jul-17 | 303百万 | 119百万 | – | 39.4 | – | – | – | – |
Jul-18 | 570百万 | 137百万 | – | 24.1 | – | – | – | – |
Jul-19 | 592百万 | 214百万 | – | 36.2 | – | – | – | – |
Jun-20 | 557百万 | 228百万 | – | 40.9 | – | – | – | – |
Jun-21 | 735百万 | 202百万 | 202百万 | 27.5 | 192百万 | 286百万 | 141.87 | 201.72 |
Jun-22 | 678百万 | 247百万 | 246百万 | 36.3 | 236百万 | 166百万 | 67.42 | 245.75 |
IPO情報
新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。
基本情報
業種:情報通信業
銘柄コード:5256
上場区分:東証グロース、福証Qボード
IPO日程
ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。
- ブックビルディング期間:2023年3月15日〜3月22日
- ブックビルディング抽選日:2023年3月23日
- 購入申込期間:2023年3月24日〜3月28日
- 上場日:2023年3月31日
IPO情報
IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。
- 公募株式総数:300,000株
- 売出株式比率:33.3%
- O.A分:45,000株
- 想定価格:¥1,830
- 仮条件価格:¥1,830 (100%) 〜 ¥2,000 (109%)
- 公募価格:¥2,000(予定)
- 吸収金額:6.90億円(予定)
- ロックアップ:主要株主に180日間のロックアップあり
- 主幹事:SBI証券
今後の展望や懸念事項
IT分野では、技術進展や少子高齢化が進む中、今後IT人材の不足がますます深刻化し、2030年には45万人程度までIT人材の不足規模が拡大するとの推計結果が出ています。(出所:経済産業省委託事業「IT人材需給に関する調査」)
さらに、デジタルトランスフォーメーション(DX)のトレンドが進展する中、生産性の向上や業務の効率化を目的にクラウドファースト戦略を実行する企業が増えるほか、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって、「テレワークの導入」「デジタルビジネスの強化」などの喫緊の業務課題を解決するためにパブリッククラウドサービスを活用する企業も増加しています。
2022年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は前年比29.8%増の2兆1,594億円となると見込まれており、また、2021年~2026年の年間平均成長率は20.8%で推移して、2026年の市場規模は2021年比2.6倍の4兆2,795億円になると予測されております。(出所:IDCJapan株式会社「国内 パブリッククラウドサービス市場 産業分野別予測、2021年~2026年」)
加えて、2021年度のAIビジネス国内市場は1兆1,608億円となっており、実証実験から本格導入に移行する企業が増加したことで市場が大きく伸長しました。AIビジネスの国内市場は年平均9.3%の成長が予測され、2027年度に1兆9,787億円になると予測されております。(出所:株式会社富士キメラ総研「2022 人工知能ビジネス総調査」)
このような環境の下、Fusic社は、経営基盤の安定を担うクラウドインテグレーションサービスと、成長を加速させるデータインテグレーションサービスのシナジー効果を最大限に発揮させ、クライアントの経営課題に最初から最後まで寄り添うサポート力を備えた独自の企業として市場にポジションを確立していくことが期待できます。
独自評価及びスコア
独自評価スコア
B14
※独自評価スコアはS20(高評価)〜D4(低評価)まで存在します。
独自の評価指標
過去6年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル591社でした。
それらの企業データから、以下の9つの項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。
- 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
- 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
- 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
- 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
- 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
- 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
- ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
- 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
- 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)
これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。
初値上昇率の予想
過去6年間にIPO新規上場(IPO)した企業は591社で、評価スコア「B14」の企業は49社ありました。
その49社の初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。
- 平均値:209%(2.09倍)
- 最大値:436%(4.36倍)
- 最小値:118%(1.18倍)
- 中央値:216%(2.16倍)
平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です。
管理人のBBスタンス
過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。
Fusic社は大幅な初値上昇が見込めるため、「すべての所有口座からBB申込予定」です。
複数企業が同日上場する予定ですが、Fusic社にとっては大きな影響はないと推測しています。
最後に
不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。
今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。
最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。