IPO

【フラー】新規上場企業データ分析 大幅な初値上昇を期待

フラー株式会社は、デジタル領域全般で「頼られる存在」として顧客に寄り添い、新しい価値を共創する関係を構築していく「デジタルパートナー事業」を運営する企業です。

東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。

企業概要

会社名

フラー株式会社

創立年

2011年11月15日

本社所在地

〒950-0911 新潟県新潟市中央区笹口1丁目2 PLAKA2 NINNO

事業内容

国内大手企業に対して、主に2つをサービスを提供しています

  • クライアントワーク
    クライアントワークは、スマートフォンアプリ開発等の業 務を受託する事業であり、事業開発コンサルティング、システム開発、UI/UXデザインを提供
  • アプリ分析サービス
    スマートフォンアプリ市場における最新の利用状況を集計・分析するサービスであり、「App Apeダッシュボード」「App Apeオーダーメイド分析」を提供

 

事業説明

フラー株式会社は、デジタル領域全般で「頼られる存在」として顧客に寄り添い、新しい価値を共創する関係を構築していくことを目指しており、これを「デジタルパートナー事業」と呼んでおり、主な事業内容は「クライアントワーク」と「アプリ分析サービス」に区分けされております。

クライアントワークにおける主な受託業務

事業開発コンサルティング

スマートフォンビジネス全般における知見を活かした事業開発コンサルティングソリューションを提供しています。

システム開発

iOS・Androidスマートフォンアプリ、WEBアプリケーション、クラウドサーバ上のインフラ構築など、グローバル標準の技術を適用したシステム開発ソリューションを提供しています。

UI/UXデザイン

ユーザー体験を重視したUI/UXデザインソリューションを提供しています。

アプリ分析サービスの内容

App Apeダッシュボード

当社がユーザーの同意を得て入手したアプリ利用データを統計処理し、市場の各アプリのMAUや利用時間、同時に利用されているアプリといった利用動向の推定データを、ウェブブラウザからグラフィカルに参照できる形式にて提供するクラウドサービスです。

App Apeオーダーメイド分析

App Apeダッシュボードと同様のデータを用い、顧客の要件に応じ個別にカスタマイズされた分析レポートを提供するサービスです。

国内大手企業は、昨今の事業環境の変化から、ビジネスのDXやMXを展望する一方で、IT特にモバイル分野に関する知見やクリエイティブ人材の確保に課題を持つ企業が多く存在していますが、この課題をワンストップで解決する存在として、他のITベンダーやコンサルティング会社、デザイン会社と一線を画しており、一社一社、パートナーとなる企業を増やしていくことで、事業の拡大を目指しています。

財務状況

売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

 

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 売上 営利 経常 純利 EPS ROE ROA 営利率 原価率 販管費率
Mar-18 3.37億 -147百万 -148百万 -109.34 赤字
Mar-19 4.5億 -217百万 -218百万 -143.92 赤字
Mar-20 6.08億 -200百万 -201百万 -132.65 赤字
Jun-20 1.56億 -31百万 -36百万 -23.8 赤字
Jun-21 10億 63百万 62百万 61百万 40.4 27.08 10.62 6.25 54.97 38.78
Jun-22 12.5億 150百万 166百万 225百万 140.74 36.59 21.64 12.03 50.3 37.66

 

財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 総資産 純資産 株主資本 自己資本比率 利益剰余金 有利子負債 有利子負債比率 BPS
Mar-18 3.13億 80百万 25.6
Mar-19 6.79億 402百万 59.2
Mar-20 4.68億 201百万 42.9
Jun-20 4.37億 165百万 37.7
Jun-21 5.76億 226百万 226百万 39.2 -510百万 150百万 66.35 149.14
Jun-22 10.4億 615百万 615百万 59.2 225百万 150百万 24.39 384.67

 

IPO情報

新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。

基本情報

業種:情報通信業

銘柄コード:5583

上場区分:東証グロース

 

IPO日程

ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。

IPO主要日程 横スクロールできます

ブックビルディング期間 2023年7月7日〜7月13日
ブックビルディング抽選日 2023年7月14日
購入申込期間 2023年7月18日〜7月20日
上場日 2023年7月25日

 

IPO情報

IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。

IPO情報 横スクロールできます

公募株式総数 295,200株
売出株式比率 72.9%
O.A分 44,200株
想定価格 990円
仮条件価格 1,100円(111%)〜1,320円(133%)
公募価格 1,320円(予定)
吸収金額 4.48億円(予定)
ロックアップ 主に180日間
主幹事 SBI証券

 

今後の展望や懸念事項

近年、わが国では、ITが生活に浸透し、あらゆる領域におけるIT化が進んでいることや、IoT・AIなどの先端的な技術を活用したビジネスのデジタル化への注目が高まっており、ITに関するニーズはますます拡大しています。 さらに「新型コロナウィルス」の感染拡大が引き起こした社会構􏷨の地殻変動のなかで、サービス、社会インフラ、ライフスタイル、ワークスタイルなどあらゆる場面においてデジタルトランスフォーメーション、いわゆる 「DX」の推進が期待されています。中でも、当社が軸足を置くスマートフォンアプリ関連市場は、DXの中核となる分野の一つとして重要性が高まっています。 こうした良好な市場環境を背景に、創業以来のモノづくりの精神により価値あるサービスを提供し、更なる事業成長が期待できます。

一方、わが国では、こうしたニーズを担う「IT人材」の供給が追いついていない状況にあります。経済産業省が2016年に公表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、わが国におけるIT人材不足は、2015年の約17万人から2030年には約79万人にまで徐々に拡大する可能性があるとしています。このIT人材不足は、 今やITサービスの提供を専業とするIT関連企業だけではなく、ビジネスにおいてITを活用するあらゆる企業にとっての課題となっています。

今後、IT関連のクリエイティブ人材として活躍することを魅力と感じてもらえるよう、独自のワークライフバランスに配慮し「人の和」を大事にするワークスタイルを確立し、これを普及させていくことが重要となります。

独自評価及びスコア

これまでの投資経験を活かしたデータ分析で、独自評価及びスコアを付けています。

独自評価スコア:B14

※独自評価スコアはD4(低評価)〜S20(高評価)まで存在します。

独自の評価指標

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル615社でした。

それらの企業データから、以下の9の項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。

  1. 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
  2. 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
  3. 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
  4. 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
  5. 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
  6. 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
  7. ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
  8. 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
  9. 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)

これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。

初値上昇率の予想

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は615社で、評価スコア「B14」の企業は51社ありました。

それら企業における初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。

過去データを基に算出した初値上昇率 横スクロールできます

平均値 211%(2.11倍)
最大値 436%(4.36倍)
最小値 118%(1.18倍)
中央値 216%(2.16倍)

過去6.5年間で公募割れした企業はありませんでした。

平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です

 

管理人のBBスタンス

過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。

大幅な初値上昇が期待できそうなので、「すべての所有口座からBB申込予定」です。

主幹事は人気の高いSBI証券です。

最後に

不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。

今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。

最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。