IPO

【エリッツホールディングス】新規上場企業データ分析

株式会社エリッツホールディングスは、株式会社エリッツホールディングス及び連結子会社6社で構成され、不動産仲介事業、不動産、管理事業、居住者サポート事業を行っている企業です。

東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。

企業概要

会社名

株式会社エリッツホールディングス

創立年

2012年3月23日

本社所在地

〒604-8266 京都市中京区堀川通姉小路上る三坊堀川町55-1 エリッツ御池ビル

事業内容

  • 賃貸マンションの仲介・管理
  • フランチャイズチェーン事業
  • 不動産売買の仲介・不動産販売のコンサルティング
  • 分譲マンションの管理
  • 賃貸マンションの企画・立案・ファイナンシャルプラン
  • 資産活用・相続・事業承継コンサルティング事業
  • 保険代理業
  • マンスリーマンション運営
  • テナント仲介
  • 法人社宅サポート
  • 建築業・建売住宅販売・リフォーム事業
  • 引越事業
  • 広告事業
  • ファーム(農業)事業
  • 海外不動産事業(マレーシア)
  • 滞納保証事業
  • インターネット回線紹介事業
  • IT開発・システム販売事業
  • 不動産特定共同事業
  • 有料職業紹介事業
  • 労働者派遣事業

 

事業説明

エリッツホールディングスグループは、賃貸マンションの仲介業からスタートし、その後、マンション管理部門、テナント部門、法人部門、仕入部門などを専門特化し、事業領域を不動産仲介事業、不動産、管理事業、居住者サポート事業などへ拡大してきています。

賃貸不動産管理事業

オーナー様に代わって賃貸マンションを見守り、入居者様の快適な暮らしをサポート。学生数が減り、年々賃貸マンションの空き室数が増える中、京都トップクラスの管理戸数と入居率を誇っている。また、24時間・365日の運営保守管理を徹底して行っている。

不動産売買事業

建売や収益、投資物件など不動産の購入や売却の仲介、資産運用や土地活用などのコンサルティングを行っており、不動産投資に関するセミナーなども実施している。

分譲マンション管理事業

分譲マンションの管理組合様をサポートし、質の高い管理でマンションの資産価値を高め、適正な価格による業務の実施により、管理費や修繕費などのコスト削減も提案し、長期修繕計画や大規模修繕の実施も管理組合様の目線でサポート。

マンスリーマンション事業

京都・滋賀エリアにおいて、マンスリーマンションを取り扱っており、京都・滋賀エリアでトップクラスの取扱戸数を誇る物件の中からお客様に最適な物件をお探しし、快適な生活をしていただける物件をご紹介。

テナント事業

京都のビジネスの中心四条烏丸に位置し、店舗やオフィス等事業用物件に専門特化した店舗。物件を探しておられるお客様には、親切、丁寧、スピーディーをモットーにより良質な物件を紹介し、またオーナー様には、空室対策の様々なご提案や情報提供。

建築事業

京都の店舗内装工事を始め住宅リフォーム、ビルまるごとイメージアップ改装工事など、建築工事全般をサポートし、不動産部門・賃貸部門とのタイアップによりお客様のご要望をいち早く実現。

FC事業

京滋エリアNo.1の店舗数と確かな実績をもとに、刻々と変化する顧客ニーズをいち早くキャッチし、迅速に対応できるよう、加盟店様の事業経営や戦略を多方面からサポート。

その他にも、保険代理事業や引越し事業、広告事業、ファーム事業、海外事業、資産活用・相続・事業、承継コンサルティング事業、滞納保証事業、ITサービス事業、ライフイノベーション事業、不動産特定共同事業(そなえるファンド)、人材紹介派遣事業、各種商品・サービス販売事業など、幅広い事業を展開しています。

 

財務状況

売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 売上 営利 経常 純利 包括 EPS ROE ROA 営利率 原価率 販管費率
Sep-18 14.5億 427百万 334百万 111.19 9.48
Sep-19 14.9億 469百万 375百万 121.19 9.39
Sep-20 14.5億 388百万 314百万 99.78
Sep-21 45.7億 605百万 650百万 438百万 445百万 139.53 13.71 6.89 13.26 27.87 58.88
Sep-22 48.6億 612百万 685百万 433百万 428百万 137.74 12.61 5.55 12.59 22.97 64.44

 

財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 総資産 純資産 株主資本 自己資本比率 利益剰余金 有利子負債 有利子負債比率 BPS
Sep-18 35.2億 19.2億 54.6
Sep-19 40億 22.5億 56.2
Sep-20 28.7億
Sep-21 63.6億 32億 31.9億 50.2 22.7億 15.1億 47.37 1017.43
Sep-22 77.9億 34.3億 34.3億 44 25.1億 21.3億 62.15 1092.04

 

IPO情報

新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。

基本情報

業種:不動産業

銘柄コード:5533

上場区分:東証スタンダード

 

IPO日程

ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。

IPO主要日程 横スクロールできます

ブックビルディング期間 2023年6月9日〜6月15日
ブックビルディング抽選日 2023年6月16日
購入申込期間 2023年6月19日〜6月21日
上場日 2023年6月27日

 

IPO情報

IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。

IPO情報 横スクロールできます

公募株式総数 275,100株
売出株式比率 27.3%
O.A分 41,200株
想定価格 1,580円
仮条件価格 1,420円(90%)〜1,580円(100%)
公募価格 1,580円(予定)
吸収金額 5.00億円(予定)
ロックアップ 主に180日間
主幹事 みずほ証券

 

今後の展望や懸念事項

不動産仲介事業においては、独自の賃貸仲介システムにより、未経験者の育成面でも短期間で戦力化できており、新規店舗の出店に際しても速やかな店舗立ち上げが可能になっている。 株式会社エリッツホールディングスの基盤である京都・滋賀エリアの賃貸住宅需要については、学生数も多く、今後の底固いニーズが期待できる状況であり、更なる成長を目指して近隣他府県エリアえ店舗網の展開を進め、既に大阪・奈良へ拡大中です。

不動産管理事業においては現在、自社ビルを除き、24,000戸以上の管理戸数を有しており、その入居率は直近2連結会計年度において約95%の水準を維持しております。この水準の入居率を維持できる自社仲介力は管理戸数拡大において賃貸不動産オーナーの判断基準に大きな影響があり、今後の管理戸数拡大が期待できます。

住居者サポート事業でも、保険会社や滞納保険会社、インターネットプロバイダー、新電力会社などの業務連携先が直接サービス提供主体となるため、小口多数の取引の集積でありながら、低コストで運営できる収益性の高い事業を実現し、仲介件数の伸びや管理物件戸数の伸びが今後の事業成長の重要な要件となります。

独自評価及びスコア

これまでの投資経験を活かしたデータ分析で、独自評価及びスコアを付けています。

独自評価スコア:D9

※独自評価スコアはD4(低評価)〜S20(高評価)まで存在します。

独自の評価指標

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル615社でした。

それらの企業データから、以下の9の項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。

  1. 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
  2. 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
  3. 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
  4. 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
  5. 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
  6. 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
  7. ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
  8. 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
  9. 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)

これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。

初値上昇率の予想

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は615社で、評価スコア「D9」の企業は55社ありました。

それら企業における初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。

過去データを基に算出した初値上昇率 横スクロールできます

平均値 131%(1.31倍)
最大値 365%(3.65倍)
最小値 75%(公募割れ)
中央値 119%(1.19倍)

 

過去6.5年間で公募割れした企業は12ありましたので、初値の公募割れリスクは22%です。

平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です

 

管理人のBBスタンス

過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。

公募割れリスクが多少あり、また同日に複数のIPO上場と重なっているため、初値上昇の期待は薄く、「やや控えめに各証券口座からBB申込予定」です。

公開株数がかなり少ないのでBB当選は困難ですが、主幹事のみずほ証券が狙い目です。

最後に

不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。

今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。

最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。