IPO

【シーユーシー】新規上場企業データ分析

株式会社シーユーシーと連結子会社からなるCUCグループでは、支援先医療法人への経営支援をはじめ、訪問看護・在宅ホスピスの運営など、医療分野での課題解決に向け、多角的にアプローチしている企業です。

東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。

企業概要

会社名

株式会社シーユーシー

創立年

2014年8月8日

本社所在地

〒108-0023 東京都港区芝浦3丁目1−1 msb Tamachi 田町ステーションタワーN 15階

事業内容

  • 医療機関向け支援事業
  • 医療コンサルティング事業

 

事業説明

株式会社シーユーシーは、日本の医療システムが抱えている「急速な高齢化」や「労働人口の減少」、「医療費の増大」、「後継者不在の病院」などの主要課題に対して、主に以下の2つのソリューションを提供しています。

医療機関支援セグメント

超高齢社会の中で厳しい経営環境に置かれる医療機関に対して、経営支援、医療給食、不動産賃貸等のサービスを提供。経営支援としては、医療機関に経営支援人材を派遣して安定的な運営を支えるとともに、M&A、病床転換、クリニック新規開設などの規模拡大支援を行っている。また、自治体や企業に対して新型コロナウイルス感染症ワクチン接種支援サービスを提供している。

訪問看護セグメント

居宅医療的ケアを必要とする利用者に対して、看護師やセラピストが訪問介護サービスを提供する居宅訪問看護事業と、在宅ホスピス施設に入居する末期がんや神経難病等を患う利用者に対して、訪問看護や訪問介護サービスを提供する在宅ホスピス事業を行っている。

 

財務状況

売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 売上 営利 経常 純利 当期包括利益 EPS ROE ROA 営利率 原価率 販管費率
Mar-18 20.1億 578百万 3.97億 18.9 5.56
Mar-19 30.7億 779百万 5.11億 23.48 4.43
Mar-20 38.2億 1.22億 5.39
Mar-21 166億 16.3億 11億 13.6億 48.61 23.24 3.87 9.81 54.52 34.39
Mar-22 353億 36.8億 27.1億 47.2億 119.62 28.62 7.84 10.42

 

財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 総資産 純資産 株主資本 自己資本比率 利益剰余金 有利子負債 有利子負債比率 BPS
Mar-18 71.5億 6.69億 9.4
Mar-19 115億 12億 10.4
Mar-20 236億 39.8億 33.8億 14.32 14.7億 163億 483.9 149.27
Mar-21 284億 53.5億 47.3億 16.6 25.8億 188億 396.43 209.19
Mar-22 345億 96.8億 94.6億 27.4 52.9億 149億 157.57 417.89

 

IPO情報

新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。

基本情報

業種:サービス業

銘柄コード:9158

上場区分:東証グロース

 

IPO日程

ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。

IPO主要日程 横スクロールできます

ブックビルディング期間 2023年6月5日〜6月9日
ブックビルディング抽選日 2023年6月12日
購入申込期間 2023年6月13日〜6月15日
上場日 2023年6月21日

 

IPO情報

IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。

IPO情報 横スクロールできます

公募株式総数 6,400,000株
売出株式比率 0.0%
O.A分 960,000株
想定価格 1,670円
仮条件価格 1,xx0円(xx%)〜1,xx0円(xx%)
公募価格 1,920円(予定)
吸収金額 141.31億円(予定)
ロックアップ 主に180日間
主幹事 みずほ証券&三菱UFJモルガン・スタンレー証券

 

今後の展望や懸念事項

国内外の医療市場におけるニーズの高まりに応えるために、株式会社シーユーシーはサービスの質と量の向上を図っています。具体的には、医療機関向けには、経営コンサルティングや新型コロナウイルス感染対策などの支援を強化し、医療と経営の両面から価値を提供しています。また、患者様やご利用者様向けには、訪問看護・介護事業所の全国展開や、海外市場や都市部への進出も積極的に行っています。

一方で、懸念事項としては、医療分野における競争や規制の厳しさが挙げられます。

株式会社シーユーシーは、医療と経営のプロフェッショナルが集まる企業として、高い専門性と信頼性を持っていますが、それだけではなく、常にイノベーションや改善を求めていかなければなりません。また、医療分野は社会的な責任が重く、法律や倫理などの規制にも従わなければなりません。これらの規制に対応するために、社内外のコンプライアンス体制を強化し、社会的な信頼を得ることが求められます。

独自評価及びスコア

これまでの投資経験を活かしたデータ分析で、独自評価及びスコアを付けています。

独自評価スコア:D7

※独自評価スコアはD4(低評価)〜S20(高評価)まで存在します。

独自の評価指標

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル615社でした。

それらの企業データから、以下の9の項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。

  1. 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
  2. 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
  3. 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
  4. 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
  5. 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
  6. 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
  7. ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
  8. 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
  9. 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)

これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。

初値上昇率の予想

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は615社で、評価スコア「D7」の企業は53社ありました。

それら企業における初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。

過去データを基に算出した初値上昇率 横スクロールできます

平均値 112%(1.12倍)
最大値 215%(2.15倍)
最小値 75%(公募割れ)
中央値 101%(1.01倍)

過去6.5年間で公募割れした企業は24ありましたので、初値の公募割れリスクは45%です。

平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です

 

管理人のBBスタンス

過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。

シーユーシー社は吸収金額が100億円超の大型IPOで初値の大幅上昇が見込めず、また過去のデータ分析から公募割れリスクも残っているため、「SBI証券会社の口座のみ、BB申込予定」です。

主幹事のみずほ証券または三菱UFJモルガン・スタンレー証券が狙い目で、発行枚数も多いため、比較的に当選し易いIPO案件です。

最後に

不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。

今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。

最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。