IPO

【ABEJA】新規上場企業データ分析

株式会社ABEJAは、DXプラットフォーム「ABEJA Platform」を基盤として顧客企業のDXを総合的に支援する「デジタルプラットフォーム事業」を運営している企業です。

東京証券取引所(東証)または地方証券取引所へ新規上場予定の企業について、独自の視点でデータ分析しています。

企業概要

会社名

株式会社ABEJA

創立年

2012年9月10日

本社所在地

〒108-0073 東京都港区三田一丁目1番14号 Bizflex麻布十番2階

事業内容

  • AIプラットフォームの提供
  • ビジュアルAIソリューションの提供
  • データプラットフォームの構築
  • ビジネスコンサルティング

 

事業説明

ABEJA Platform上で、顧客企業の競争優位の源泉となるビジネスプロセスを変革し、継続的な収益成長の実現に伴走する「デジタルプラットフォーム事業」を運営しており、主たる領域として「トランスフォーメーション領域」と「オペ レーション領域」に分類されています。

 

トランスフォーメーション領域

企業のデジタルトランスフォーメーションニーズに幅広く対応したプロフェッショナルサービスの提供として、経営レベル、全社レベルのビジョン(デジタルトランスフォーメーションの実現を通して目指す姿)の策定・共有から、ビジョンを具現化するためのプランニング、 ビジネスプロセスにあわせたシステム構築・運用までを伴走型で支援している。

オペレーション領域

ABEJA Platform上に構築した様々なシステムを、汎用的な仕組みやサービスとして提供しており、現状は小売業、不動産業、製造業、金融業などが対象となり、複数の業界にわたってABEJA Platform上に構築したシステムを運用して業務推進している。

財務状況

売上高、利益などの業績推移を目論見書からアップロードしました。

会社業績(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 売上 営利 経常 純利 EPS ROE ROA 営利率 原価率 販管費率
Aug-18 6.83億 -7.53億 -8.59億 -114.37 赤字
Aug-19 9.64億 -14.3億 -14.2億 -183.86 赤字
Aug-20 10.4億 -8.87億 -10.3億 -133.78 赤字
Aug-21 12.6億 -265百万 -2.6億 -3.5億 -45.44 赤字 赤字 -21.03 53.84 67.19
Aug-22 19.8億 -164百万 -1.82億 -1.96億 -25.46 赤字 赤字 -8.27 40.26 68.01

 

財務状況(IR BANKより) 横スクロールできます

年度 総資産 純資産 株主資本 自己資本比率 利益剰余金 有利子負債 有利子負債比率 BPS
Aug-18 45.8億 42.1億 91.9
Aug-19 36.4億 33.7億 92.4
Aug-20 25.5億 23.4億 91.4
Aug-21 23.8億 19.9億 19.8億 83.4 -11.3億 80百万 4.03 257.23
Aug-22 21.6億 17.9億 17.9億 82.8 -1.94億 80百万 4.47 232.02

 

IPO情報

新規上場(IPO)に向けて、幾つかの重要な情報をまとめました。

基本情報

業種:情報通信業

銘柄コード:5574

上場区分:東証グロース

 

IPO日程

ご利用の証券会社によって、多少のズレが生じますので、ご注意ください。

IPO主要日程 横スクロールできます

ブックビルディング期間 2023年5月29日〜6月1日
ブックビルディング抽選日 2023年6月2日
購入申込期間 2023年6月5日〜6月7日
上場日 2023年6月13日

 

IPO情報

IPOに関する公募総数や公募価格(予定)をまとめます。

IPO情報 横スクロールできます

公募株式総数 1,250,000株
売出株式比率 44.0%
O.A分 187,500株
想定価格 1,390円
仮条件価格 1,450円(104%)〜1,550円(112%)
公募価格 1,550円(予定)
吸収金額 22.28億円(予定)
ロックアップ 主に180日間
主幹事 野村證券

 

今後の展望や懸念事項

AI技術はますます重要な存在となり、様々な業界での活用が進んでいます。特に画像・映像解析、自然言語処理、予測分析などの分野での需要が高まっています。ABEJAはこれらの分野で優れたソリューションを提供しており、AI市場の成長に乗りつつ、需要を獲得する潜在力があります。

ABEJAはビジュアルAIソリューションに特化しており、小売業や製造業、農業など様々な業界で活用されています。今後は、さらに他の業界や領域においても展開していくことが期待されます。新たなビジネス領域への進出や、既存ソリューションの改善・拡充により、事業を拡大する機会があります。

一方で、ABEJAが直面する可能性のある課題もあります。

AI市場は競争が激化しており、多くの企業がAIソリューションを提供しています。ABEJAは他社との差別化を図り、独自の付加価値を提供する必要があります。継続的な技術革新や顧客ニーズの把握によって、競争力を維持することが求められます。

また、データの品質やプライバシーの保護は重要な課題です。ABEJAはデータの品質管理や個人情報保護に対する取り組みを強化し、信頼性の高いソリューションを提供することが求められます。

AI業界は技術革新が速く、企業の優位性を維持するためには、技術革新に即座に追従する必要があり、優秀な人材確保や育成が今後の重要な課題になります。

独自評価及びスコア

これまでの投資経験を活かしたデータ分析で、独自評価及びスコアを付けています。

独自評価スコア:B14

※独自評価スコアはD4(低評価)〜S20(高評価)まで存在します。

独自の評価指標

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は、トータル615社でした。

それらの企業データから、以下の9の項目について、ホームページや目論見書(IPO時に発行される報告書)を調査して、上場前に初値上昇率や損失リスク度を分析しています。

  1. 業種(最近、情報通信業の初値上昇率は比較的高い傾向)
  2. 業績(売上高や利益率が健全に成長しているか)
  3. 上場市場(現在、東証プライムに上場する大型株は、初値が上昇しづらい傾向)
  4. 主幹事(IPOを管理する証券会社で多少の影響がある)
  5. 公開株数(少ない方がプラチナチケットになり易いが、当選しづらくなる)
  6. 売り出株式比率(新規発行分と既存分の比率で、低い方が上がり易い)
  7. ロックアップ(大株主が上場日から一定期間、売却できない期間のことで、長めの設定が良い)
  8. 株単価(安い方が、初値上昇率は高くなる傾向)
  9. 同日上場企業数(同日に複数社がIPOする場合は資産が分散して上がりづらい傾向)

これらの9項目の分析結果から、初値上昇があまり期待できそうにない企業については、予めBB申込を辞退して、マイナス=損失リスクを軽減しています。

初値上昇率の予想

2017年1月から2023年5月までの過去6.5年間にIPO新規上場(IPO)した企業は615社で、評価スコア「B14」の企業は51社ありました。

それら企業における初値上昇率(=初値/公募価格)は以下の通りです。

過去データを基に算出した初値上昇率 横スクロールできます

平均値 211%(2.11倍)
最大値 436%(4.36倍)
最小値 118%(1.18倍)
中央値 216%(2.16倍)

過去6年間で公募割れした企業はありません。

平均値とは、データの合計をデータの個数で割って得られる値=平均値に対して、中央値とは、データを大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。平均値の場合は他の値と比べて極端に大きい(または小さい)値があることによって、影響を受けてしまいますが、中央値の場合は、真ん中の値ですので、そのような影響は受けづらいのが特徴です

 

管理人のBBスタンス

過去のデータを分析した独自評価スコアに応じて、管理人のブックビルディング(BB)のスタンスを決めています。

ABEJA社は大幅な初値上昇が期待できますので、「すべての所有口座からBB申込予定」です。

主幹事の野村證券、副幹事のSBI証券が狙い目です。

最後に

不安定な世界情勢や世界各国の利上げ、さらには米シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの破綻など、株式にとってはマイナス要因が多い状況なので、日本国内のIPO新規上場企業への株式投資に対しても、今まで以上に慎重に検討する必要が出てきています。

今回の記事が、あなたの投資判断に有益になれば幸いです。

最後に、あくまで営利を伴わない個人的な自己分析なので、最終的な投資判断は自己責任でお願い致します。